塗装店が高単価商材を売るメリットと実践戦略
外壁塗装リフォームにおいて、
「高単価商材を扱うべきかどうか」は、多くの会社が一度は考えるテーマです。
・高くて売れないのではないか
・価格競争で負けるのではないか
・営業が提案しづらくなるのではないか
といった不安もある一方で、
実際に高単価商材をうまく扱っている会社は、安定した経営につながっているケースも少なくありません。
本記事では、高単価商材を扱うことのメリットと、
実務としてどう取り入れていくかという戦略を整理します。

高単価商材は「単価アップ」だけの話ではない
まず前提として、高単価商材の価値は
単純な売上単価の上昇だけではありません。
確かに、
・1件あたりの売上が上がる
・粗利額が増える
といった直接的なメリットはあります。
ただ、それ以上に重要なのは、
・提案の軸ができる
・価格競争から距離を取れる
・顧客層が変わる
といった“営業構造そのものの変化”です。
つまり、高単価商材は単なる商品ではなく、
営業の土俵を変える要素でもあります。
価格競争から抜けやすくなる
外壁塗装の営業では、相見積もりが前提になることも多く、
どうしても価格比較が起きやすい構造があります。
このとき、同じような商品・同じような説明であれば、
最終的に価格で選ばれる可能性が高くなります。
一方で、高単価商材を提案に組み込むと、
・そもそも比較対象が減る
・単純な価格比較になりにくい
・提案内容そのもので差がつく
といった状態になります。
もちろん高単価だから必ず売れるわけではありませんが、
少なくとも「安さだけで選ばれる状況」からは一歩離れることができます。
顧客の選び方が変わる
高単価商材を扱うと、来るお客様の質が変わることがあります。
・価格だけで決めたい人
・最低限で済ませたい人
ではなく、
・長く持たせたい
・納得して選びたい
・多少高くても安心を取りたい
といった層が増えてきます。
この変化は、営業のしやすさにも影響します。
価格交渉中心の商談から、
「どう選ぶか」を一緒に考える商談に変わるためです。
営業担当者の提案力が上がる
高単価商材を扱うと、営業担当者には
「なぜそれを提案するのか」を説明する力が求められます。
・通常商品との違い
・価格差の理由
・どんな人に向いているか
・逆に向かないケースは何か
こうした説明を整理する必要があるため、
結果として提案力そのものが上がっていきます。
これは短期的には負荷に感じるかもしれませんが、
中長期では営業力の底上げにつながります。
高単価商材が売れない理由の多くは「設計不足」
一方で、高単価商材を扱ってもうまくいかないケースもあります。
その多くは、
・営業が自信を持って提案できていない
・説明が曖昧になっている
・選択肢として整理されていない
といった「設計の問題」であることが多いです。
例えば、
「おすすめです」
「長持ちします」
といった説明だけでは、判断にはつながりません。
重要なのは、
・なぜこの建物に合っているのか
・どんなメリットとデメリットがあるのか
・どのくらいの期間で考えるべきか
といった具体的な整理です。
「売る」のではなく「選択肢に入れる」
高単価商材を扱うときに注意したいのは、
無理に売ろうとしないことです。
押し込む提案は、かえって信頼を下げる可能性があります。
有効なのは、
・標準仕様
・価格重視仕様
・高耐久・高機能仕様
といった形で、最初から選択肢として提示することです。
この状態であれば、
・必要な人には自然に選ばれる
・不要な人には無理に勧めなくて済む
・営業側のストレスも減る
というメリットがあります。
H2:部分提案・段階提案も有効
高単価商材は、必ずしも全面採用である必要はありません。
・屋根だけ高耐久仕様にする
・日射の強い面だけ機能性塗料を使う
・まずは一部で試す
といった段階的な提案も有効です。
これにより、
・初期コストのハードルを下げられる
・効果を実感してもらいやすい
・次の提案につながる
といった流れを作ることができます。
運用とセットで考えることが重要
高単価商材は、施工して終わりではありません。
・どの仕様を採用したか
・どの範囲に施工したか
・どんな目的で選んだか
これを記録として残しておくことで、
・次回の提案に活かせる
・クレーム時の説明がしやすくなる
・顧客との関係が継続しやすくなる
といったメリットが生まれます。
高単価であればあるほど、
「なぜこの選択だったのか」を説明できる状態が重要になります。
自社のポジションを明確にする
高単価商材を扱うかどうかは、
自社のポジション設計にも関わります。
・価格重視で広く取るのか
・提案重視で単価を上げるのか
・両方をバランスよく取るのか
この方向性が曖昧なままだと、
営業現場も迷いやすくなります。
必ずしもすべての会社が高単価路線に振る必要はありませんが、
少なくとも「どういう提案をしたいのか」は整理しておく必要があります。
まとめ
塗装店が高単価商材を扱うメリットは、
・単価アップだけでなく営業構造が変わる
・価格競争から抜けやすくなる
・顧客の質が変わる
・営業力の底上げにつながる
といった点にあります。
一方で、成功させるためには、
・選択肢としての設計
・価格差の説明
・段階提案の活用
・運用と履歴の整備
が重要になります。
高単価商材は、売るものではなく、
提案の中に組み込むことで機能するものです。
無理に押し込むのではなく、
お客様の判断にとって意味のある選択肢として整理する。
その積み重ねが、結果として受注率や単価、
そして会社としての信用につながっていきます。
私たちとしても、塗料の供給だけでなく、
こうした提案設計や運用面まで含めて、
施工店様の事業にとって意味のある支援を続けていきたいと考えています。









