
最近、塗料業界では、
- 受注停止
- 一部再開
- 数量制限
- 出荷調整
の案内が非常に増えています。
特に現在は、中東情勢やホルムズ海峡問題なども重なり、
- ナフサ
- 溶剤
- 樹脂
- 物流
への不安感が広がっています。
ニュースでは、
「ナフサは足りている」
という説明もあります。
もちろん国家備蓄や供給調整は行われていると思います。
しかし、塗料販売店として現場を見ている感覚では、
“平時とは違う動き”
がかなり始まっています。
しかも現在は、単純な「物理不足」だけでは説明しきれない状況になっています。
今回は、なぜ今メーカーが受注停止と再開を繰り返しているのか、販売店視点から現在の市場構造について整理していきます。
今起きているのは「不足」だけではない
現在の塗料業界では、
- シンナー
- 下塗り材
- シーリング
- 一部塗料
などで供給不安が広がっています。
ただ、ここで難しいのは、
「完全に物が無い」
という話だけではないことです。
実際には、
- また止まるかもしれない
- 次いつ入るか分からない
- 今のうちに押さえたい
- 現場を止めたくない
という心理が、市場全体にかなり広がっています。
つまり現在は、
「不足そのもの」
だけではなく、
「不足不安」
が市場を動かしている状態に近いと感じています。
なぜ受注再開してもまた停止するのか
最近かなり増えているのが、
「一度再開 → 注文殺到 → 再停止」
の流れです。
メーカー側としては、
- 一部原料が入った
- 生産が少し戻った
- 出荷可能量が増えた
段階で、一度受注再開を行います。
しかしその瞬間、
“前倒し需要”
が一気に集中します。
施工店側としても、
- また止まるかもしれない
- 今のうちに確保したい
- 在庫を持っておきたい
という心理になります。
その結果、
「通常月を超える注文」
が一気に入り、メーカー側が処理しきれなくなるケースが増えています。
つまり現在は、
「不足が不足を呼ぶ」
状態になりやすい。
前倒し発注はなぜ止まらないのか
施工店様側からすると、前倒し発注はある意味当然です。
なぜなら塗装工事は、
- 足場
- 職人手配
- 工期
- 施主様対応
すべてが連動しているためです。
材料が止まると、
「現場そのものが止まる」
可能性があります。
だから、
「あとで困るくらいなら今確保したい」
という動きが強くなります。
実際、最近ではホームセンター塗料売場の話まで出るようになっています。
以前であればそこまで聞かなかった動きです。
つまり現在は、
「安く買いたい」
より、
「まず確保したい」
空気がかなり強くなっています。
なぜ前年実績ベースの数量制限が増えているのか
最近、メーカー各社で増えているのが、
「前年同月実績ベース」
での数量制限です。
これは、
- 過度な前倒し発注防止
- 在庫抱え込み防止
- 実需ベース供給
を維持するためです。
つまりメーカー側としては、
「本当に必要な現場へ供給したい」
という考え方に近い。
実際、最近では、
- 現場名
- 現場住所
- 使用量
まで提出を求めるケースも増えています。
これは単なる数量制限というより、
「実際に使う案件なのか」
を確認するための管理に近い印象があります。
ただし、この方法にも難しさがある
前年実績ベース制限はかなり合理的です。
しかしその反面、
- もともと購入量が少ない会社
- 新規採用店
- 急成長中の施工店
などは、かなり動きづらくなります。
一方で大手施工店側も、
- 固定費
- 人件費
- 現場維持
を抱えているため、材料停止は死活問題です。
つまり現在は、
「誰か一社が悪い」
というより、
「市場全体が平常運転を維持しづらくなっている」
状態に近い。
メーカー側も、
- 出しすぎればパンク
- 止めすぎれば現場停止
という非常に難しい調整を行っているように見えます。
実際に問題なのは“原料”だけではない
今回怖いのは、
「原油価格だけ」
ではありません。
塗料業界は、
- ナフサ
- 溶剤
- 樹脂
- 海運
- コンテナ
- 保険
- 物流
など、多くが複雑につながっています。
つまり現在は、
「原料があるか」
だけではなく、
「ちゃんと流れるか」
の方が問題になりやすい。
実際、最近では塗料だけでなく、地域指定ゴミ袋などでも供給不足が起きています。
これも、優先業界への原料割り振りなどが影響している可能性はあると思っています。
塗料販売店として今感じていること
現在、受注自体はかなり増えています。
ただ、
「その量を安定して納品できるか」
は別問題になっています。
だから今は、
「売れているから安心」
という空気ではありません。
むしろ、
「止めずに回せるか」
への緊張感の方が強い。
コジマヤ興業としても、
- メーカー状況
- 物流温度感
- 代替情報
- 納期感覚
- 地域在庫感
などを、できるだけ早く施工店様へ共有する重要性をかなり感じています。
まとめ
現在の塗料業界では、
- 中東情勢
- ホルムズ海峡問題
- ナフサ不安
などを背景に、供給不安が広がっています。
ただ実際には、
「不足そのもの」
だけでなく、
「不足不安による市場心理」
が大きく動いている状態にも見えます。
そのため現在は、
- 前倒し発注
- 在庫確保
- 数量制限
- 受注停止と再開
が複雑に絡み合っています。
現時点で、
「必ず大混乱になる」
と断定したいわけではありません。
しかし少なくとも現場では、
“平時とは違う動き”
がかなり始まっている。
今回のホルムズ海峡問題やナフサ供給不安も、単なる原料ニュースではなく、
「現場の発注行動や市場心理まで変え始めている問題」
として、塗料販売店であるコジマヤ興業としては見ています。
よくある質問(Q&A)
Q. なぜ塗料メーカーは受注再開しても再停止するのですか?
現在は供給不安によって前倒し発注が増えており、受注再開直後に通常以上の注文が集中しやすくなっています。
その結果、生産能力や供給可能量を超える受注となり、再度制限や停止が行われるケースが増えています。
Q. 本当にナフサ不足は起きているのでしょうか?
政府備蓄や供給調整は行われている一方、現場では供給不安による前倒し需要がかなり増えています。
そのため、「物理不足」だけではなく、「不足不安そのもの」が市場へ影響を与えている面もあると感じています。
Q. なぜ前年実績ベースの数量制限が増えているのですか?
過度な前倒し発注や在庫抱え込みを防ぎ、本当に必要な現場へ供給するためです。
メーカー側としても、限られた供給量をできるだけ公平に配分しながら、供給停止の連鎖を防ごうとしている状況です。
Q. 今後さらに供給制限は増える可能性がありますか?
現時点で断定はできませんが、中東情勢・物流・原材料供給など複数要因が影響しているため、
今後も状況変化には注意が必要です。
特にシンナー・下塗り材・一部溶剤系製品は、引き続き動向確認が重要になっています。









