
以前、ある塗装店様から外壁塗装のチラシ制作をご依頼いただいたことがあります。
当初は、外壁塗装を中心としたチラシを制作する予定でした。
ところが打ち合わせを進めていく中で、
「外構リフォームも入れたい」
「フローリングの張替えも掲載したい」
「クロスの張替えもできる」
と、少しずつ掲載するサービスが増えていきました。
今後は塗装工事だけでなく、
さまざまなリフォーム工事も受注していきたいという考えでした。
もちろん、塗装店が外構や内装などのリフォーム工事を受注すること自体に問題があるわけではありません。
実際、外壁塗装をきっかけにお客様との関係ができれば、
「せっかくだから、ここも直してもらえませんか?」
と別の工事を相談されることもあります。
ただ、そのチラシを作りながら一つ気になったことがありました。
「この会社は、本当に“何でもできます”と見せた方がいいのだろうか?」
ということです。
その会社には、すでに明確な強みがあった
この塗装店様の代表は、若い頃から塗装の仕事を続けてきた職人出身の方でした。
つまり、もともと
「長年、塗装をやってきた職人がいる会社」
という分かりやすい強みを持っています。
さらに会社名を見ても、塗装を専門としている会社だとイメージしやすい名称でした。
外壁塗装を検討しているお客様からすれば、
「塗装をずっとやってきた職人さんなんだ」
「塗装に詳しそうな会社だな」
と思ってもらえる可能性があります。
それにもかかわらず、チラシの中へ外構、フローリング、クロスなどを次々と追加していくと、
せっかく持っている「塗装の専門家」という印象が少しずつ薄くなってしまいます。
そこで感じたのが、
「できる仕事を増やすこと」と「できる仕事を全部広告に載せること」は別なのではないか
ということでした。
「何でもできます」は一見すると強そうに見える
施工店側からすると、対応できる工事が多いことは強みに感じます。
外壁塗装もできます。
屋根工事もできます。
外構もできます。
クロスもできます。
フローリングもできます。
水回りも相談できます。
確かに、対応できる仕事の数だけを見れば「何でもできる会社」は便利です。
しかし、お客様が初めてその会社を知ったときにも、同じように感じるとは限りません。
たとえば、自宅の外壁塗装を考えているときに、
「住宅のことなら何でもお任せください」
という会社と、
「外壁塗装を長年施工してきた塗装職人の会社です」
という会社があったとします。
どちらが優れているという話ではありません。
ただ、外壁塗装について会社を探している人にとっては、後者の方が
「この会社は塗装に詳しそうだ」
と一瞬で理解しやすいのではないでしょうか。
お客様に伝える「入口」は一つでもいい
ここで大切なのは、
「外壁塗装専門と打ち出したら、外壁塗装しか受注してはいけない」
という話ではありません。
実際には外構工事もできる。
内装リフォームも相談できる。
屋根工事や防水工事にも対応できる。
それでも、最初にお客様へ伝える入口は、
「私たちは外壁塗装が得意な会社です」
でもいいと思います。
まず、自分たちが最も経験を積んできた仕事で会社を知ってもらう。
そこで工事を受注し、信頼関係ができた後に、
「実は外構も相談できます」
「クロスの張替えも対応できます」
と伝えることもできます。
つまり、
入口を専門化することと、会社として対応できる仕事を広く持つことは両立できます。
「何でもできる会社」と「何でもできると広告する会社」は違う
今回のチラシ制作を通じて、特に感じたのがこの違いでした。
何でもできる会社であることと、何でもできると広告することは別です。
施工店として対応できる工事の幅が広いことは、
お客様との関係ができた後には大きな強みになります。
外壁塗装のお客様から、
「玄関まわりも直したい」
「内装も少しリフォームしたい」
と相談されたときに対応できれば、一社でまとめて相談できるというメリットもあります。
一方、まだ会社のことを知らないお客様に対するチラシやホームページでは、情報を増やしすぎることで、
「結局、この会社は何が一番得意なのだろう?」
となってしまう可能性があります。
だからこそ、最初に会社を知ってもらうための広告と、
既存のお客様へ伝えるサービス内容は分けて考えてもいいのではないかと思います。
職人として積み上げてきた経験そのものが差別化になる
塗装業界には、長年現場で経験を積んでから独立した職人の方がたくさんいます。
これは、当たり前のことではありません。
何年、何十年と塗装工事に携わり、さまざまな建物や下地を見てきた経験は、
その会社が持っている大きな強みです。
ところが、
「外壁塗装もできます」
「外構もできます」
「内装もできます」
「住宅のことなら何でもできます」
とすべてを同じ大きさで並べてしまうと、その経験が見えにくくなってしまうことがあります。
今回の塗装店様も、決して「できる仕事が少ない会社」ではありませんでした。
むしろ逆で、いろいろな相談に対応できる会社でした。
それでもチラシを制作している側から見ると、
「これだけ塗装の経験があるのだから、
まずそこをもっと前に出した方が、この会社らしさが伝わるのではないか」
と感じました。
何を増やすかより、何を一番に伝えるか
事業を続けていけば、できる仕事は増えていきます。
塗装から始まって、屋根、防水、外構、内装などへ対応範囲が広がっていくこともあると思います。
そのこと自体は、会社の成長の一つです。
ただ、できることが増えるたびに広告へすべて追加していくと、
会社の特徴が少しずつ見えにくくなることがあります。
そんなときは、
「何ができるか?」
だけではなく、
「自分たちは、何の会社として覚えてもらいたいのか?」
を考えてみる。
外壁塗装で長年経験を積んできた会社なら、まずは「塗装に強い会社」として知ってもらう。
そして実際にお客様との関係ができてから、必要に応じてほかのリフォーム工事にも対応する。
今回のチラシ制作は、できることをすべて見せることが、
必ずしもその会社の強みを一番伝えられる方法とは限らないと感じた事例でした。
コジマヤ興業株式会社は塗料を販売する会社ですので、
日頃から多くの塗装店様・リフォーム店様とお付き合いする中で、
「この取り組みや考え方は、他の施工店様にも参考になるのではないか」
と感じる場面があります。
今後も、そうした施工店様との実際のやり取りの中から、
日々の営業活動に活用できそうな情報をご紹介していければと思います。
塗料を通じて、施工店様をサポートしています。
コジマヤ興業株式会社は、塗装店様・リフォーム店様・工務店様へ塗料を販売する専門商社です。
各種メーカー塗料やPB塗料のご提案はもちろん、日頃お付き合いのある施工店様からは、
保証制度や外壁洗浄、BtoB塗装テレアポ代行サービスなど、塗料販売の枠を超えたご相談も数多くいただいています。
私たちは、塗料を納品して終わりではなく、
施工店様の身近なパートナーとして、お役に立てる情報やサービスをご提案しています。









