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外壁塗装の専門誌 2026.06.05

シンナー不足で注目される「水性塗料」 弱溶剤塗料から切り替える方法|日本ペイント代替対応表付き

シンナー不足で注目される「水性塗料」 弱溶剤塗料から切り替える方法|日本ペイント代替対応表付き

昨今の中東情勢や原材料供給不安の影響により、塗料業界ではシンナー類や一部弱溶剤塗料の供給に不安定さが見られています。

その中で、施工店様から増えているのが、「弱溶剤塗料の代わりに水性塗料を使えないか」という相談です。

弱溶剤塗料は、外壁・付帯部・鉄部・下塗りなど幅広く使用されてきましたが、シンナー不足や溶剤供給の不安がある中では、水性塗料への切り替えも現実的な選択肢になってきています。

ただし、水性塗料へ切り替える際には、単純に「似たグレードの商品を選べばよい」というわけではありません。

下地の状態、既存塗膜、施工部位、工程、メーカー仕様を確認したうえで、適切な製品を選定する必要があります。

本記事では、日本ペイント製品を例に、弱溶剤塗料から水性塗料へ切り替える際の考え方と、代替候補となる水性塗料の対応表を整理します。

なぜ今、水性塗料への切り替えが注目されているのか

現在、塗料業界ではシンナー類や溶剤系材料の供給不安が広がっています。

特に弱溶剤塗料は、希釈や洗浄にシンナーを使用するため、シンナー供給が不安定になると、現場の施工計画にも影響が出やすくなります。

そのため、施工店様の中には、今後の現場対応を見据えて、水性塗料への切り替えを検討する動きも出ています。

水性塗料は、臭気が少なく、環境対応面でも扱いやすい製品が増えており、近年は外壁塗装でも選択肢が広がっています。

弱溶剤塗料と水性塗料の違い

弱溶剤塗料と水性塗料の大きな違いは、主に希釈・洗浄に使用する材料です。

弱溶剤塗料はシンナーを使用するのに対し、水性塗料は水で希釈・洗浄できる製品が中心です。

そのため、シンナー不足時には水性塗料が代替候補になります。

ただし、水性塗料へ切り替える場合には、以下の点に注意が必要です。

  • 下地に適合するか
  • 既存塗膜との相性に問題がないか
  • 下塗り材の変更が必要か
  • 工程数や乾燥時間が変わらないか
  • 艶・仕上がり・性能が同等か

特に改修工事では、既存塗膜や下地状態によって適用できる仕様が変わるため、必ずメーカー資料や販売店への確認が必要です。

弱溶剤塗料から水性塗料へ切り替える際の注意点

水性塗料は便利な代替候補ですが、すべての現場で弱溶剤塗料と同じように使えるわけではありません。

例えば、鉄部・サビ止め・シーラー・下塗り材などは、下地条件によって選定を誤ると密着不良や仕上がり不良につながる可能性があります。

また、弱溶剤から水性へ変更する場合、上塗りだけでなく下塗りまで含めて仕様全体を確認することが重要です。

単純な商品名の置き換えではなく、現場仕様として成立するかを確認することが大切です。

日本ペイントの弱溶剤塗料・水性塗料対応表

以下は、日本ペイント製品における、弱溶剤塗料と水性塗料の対応例です。

※対応表は日本ペイント資料をもとに掲載しています。
実際の採用にあたっては、下地種類・既存塗膜・施工条件により適用可否が異なる場合があります。詳細は必ず製品カタログやメーカー資料をご確認ください。

詳細対応表を見る(←クリック)

上塗り:外壁・付帯部

部位 グレード 弱溶剤塗料 液数 水性塗料 液数
外壁・付帯部 無機系 グランセラトップ2液ファイン 2液 グランセラトップ2液水性 2液
外壁・付帯部 無機系 グランセラトップ2液ファイン 2液 グランセラトップ1液水性 1液
外壁・付帯部 フッ素 ファインDFセラミック 2液 パワーオーデフレッシュF 2液
外壁・付帯部 フッ素 ファインフッソ 2液 オーデフレッシュF100Ⅲ 1液
外壁・付帯部 フッ素遮熱 ファインサーモアイウォールDF 2液 水性サーモアイウォールF 1液
外壁・付帯部 ラジカル制御シリコン ファインパーフェクトトップSi 1液 パーフェクトトップSi 1液
外壁・付帯部 シリコン ファインシリコンフレッシュⅡ 2液 水性ファインSi 1液
外壁・付帯部 シリコン ファインSi 2液 水性ファインSi 1液
外壁・付帯部 シリコン 1液ファインシリコンセラUV 1液 水性シリコンセラUV 1液
外壁・付帯部 シリコン 1液ファインシリコンセラUV 1液 オーデフレッシュSi100Ⅲ 1液
外壁・付帯部 シリコン遮熱 ファインサーモアイウォールSi 2液 パーフェクトトップSi遮熱 1液
外壁・付帯部 シリコン遮熱 ファインサーモアイウォールSi 2液 水性サーモアイウォールSi 1液
外壁・付帯部 ウレタン ファインウレタンU100 2液 水性ファインウレタンU100 1液
外壁・付帯部 ウレタン 1液ファインウレタンU100 1液 水性ファインウレタンU100 1液
窯業サイディング シリコン UVプロテクトクリヤーSi 2液 水性UVプロテクトクリヤー 2液
軒裏 アクリル ケンエースG-2 1液 水性ケンエース 1液

下塗り:錆止め・シーラー

種別 樹脂系 弱溶剤塗料 液数 水性塗料 液数
錆止め エポキシ ハイポンファインプライマーⅡ 2液 オーデハイポンプライマー 2液
錆止め エポキシ ハイポン20ファイン 2液 オーデハイポンプライマー 2液
錆止め エポキシ パーフェクトプライマー 2液 オーデハイポンプライマー 2液
錆止め エポキシ 1液ハイポンファインデクロ 1液 1液水性デクロ 1液
シーラー エポキシ ファインパーフェクトシーラー 2液 水性パーフェクトシーラー 2液
シーラー エポキシ 1液ファインパーフェクトシーラー 1液 水性パーフェクトシーラー 2液
シーラー エポキシ ファイン浸透シーラー 2液 水性カチオンシーラー 1液

※素地種類により、適用できない場合や下地調整方法が異なる場合があります。詳細は製品カタログをご確認のうえ、仕様を選定してください。
※下地にサビが残っている場合やサビが浮いてくる場合がありますので、サビ落としは入念に行ってください。

水性塗料へ切り替える際は仕様確認が重要

弱溶剤塗料から水性塗料へ切り替える場合、最も重要なのは、単に商品を置き換えることではなく、現場条件に合った仕様を組むことです。

特に以下のような現場では注意が必要です。

  • 既存塗膜が不明な現場
  • 鉄部・サビが多い現場
  • 旧塗膜の密着が不安な現場
  • 下地調整が十分にできない現場
  • 高耐久仕様を求められる現場

水性塗料は便利な選択肢ですが、万能ではありません。

現場ごとに、下塗り・中塗り・上塗りの組み合わせを確認し、必要に応じてメーカーや販売店へ相談することが大切です。

販売店として感じる今後の流れ

現在のようにシンナー類や弱溶剤塗料の供給が不安定になると、施工店様側では「何を使えばよいのか」という判断が非常に難しくなります。

今後は、単に材料を確保するだけでなく、現場ごとに代替仕様を組める提案力がより重要になっていくと感じています。

特に水性塗料への切り替えは、環境対応や臭気対策の面でも今後さらに増えていく可能性があります。

ただし、仕様確認をせずに安易に置き換えると、施工不良やクレームにつながるリスクもあります。

そのため、シンナー不足時代の対応としては、早めの材料確認とあわせて、代替塗料の選定も重要な実務課題になっていくでしょう。

まとめ

シンナー不足や弱溶剤塗料の供給不安が広がる中で、水性塗料への切り替えは今後さらに重要な選択肢になっていくと考えられます。

ただし、水性塗料は弱溶剤塗料の完全な置き換えではなく、下地条件や仕様確認が必要です。

日本ペイントのように、弱溶剤塗料と水性塗料の対応表を確認しながら、現場ごとに適切な仕様を選定することが重要です。

施工店様にとっては、今後ますます、材料確保だけでなく、代替仕様を判断する力が求められる時代になっていくのではないでしょうか。

よくある質問(Q&A)

Q. 水性塗料は弱溶剤塗料の完全な代替になりますか?

A. 必ずしも同じではありません。下地の種類や既存塗膜、施工条件によって適切な仕様は異なります。単純に商品を置き換えるのではなく、メーカー仕様や販売店へ確認することをおすすめします。


Q. シンナー不足だから水性塗料へ変更する施工店は増えていますか?

A. 最近はシンナー供給不安や臭気対策などの理由から、水性塗料への切り替えを検討する施工店様も増えています。ただし、現場ごとの適合確認は必要です。


Q. 水性塗料は耐久性が低いのでしょうか?

A. 現在の高耐久水性塗料は性能が大きく向上しており、フッ素・無機・ラジカル制御形など高耐候製品も増えています。ただし製品ごとの仕様確認は必要です。


Q. 弱溶剤塗料と水性塗料はどちらが主流ですか?

A. 現在も弱溶剤塗料は多く採用されていますが、環境対応や臭気対策の観点から水性塗料の採用も増えています。現場条件によって使い分けることが重要です。


Q. 今後もシンナー不足は続くのでしょうか?

A. 現時点で断定はできませんが、中東情勢や原材料供給、物流状況などの影響を受けやすいため、今後も供給動向には注意が必要です。

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