
外壁塗装は、リフォーム工事の中でもリピートまでの期間が長い工事です。
一度きちんと塗り替えを行えば、翌年や2~3年後にもう一度外壁塗装をすることは通常ありません。
次の塗り替えまで10年以上空くことも珍しくないでしょう。
施工店にとっては良い工事をして長く建物を守ることが大切ですが、
営業面では一つの難しさがあります。
それは、
「次の塗り替えまで、お客様との接点をどう維持するのか」
という問題です。
工事完了時にどれだけ満足していただいても、10年以上ほとんど接点がなければ、
次の塗り替え時にも自社へ相談してもらえるとは限りません。
今回は、外壁塗装特有の「長い空白期間」について考えてみます。
外壁塗装は「満足してもらったら終わり」ではない
工事が無事に完了し、
「きれいになりました。ありがとうございました」
と言っていただければ、施工店としてもうれしいものです。
保証書を渡し、完工写真を提出して工事は終了します。
しかし、工事が終わることと、お客様との関係が終わることは別です。
むしろ次回も自社を選んでもらいたいのであれば、
ここから長い付き合いが始まると考えた方がいいかもしれません。
外壁塗装の場合、次の塗り替えまで長い期間があります。
その間に自社との接点がまったくなければ、
せっかく工事で築いた関係も少しずつ薄れていきます。
10年前に工事をした会社を覚えているでしょうか?
施工店側は過去の施工履歴を残しているため、
「○○様邸は2016年に施工した」
と確認できます。
しかし、お客様側も同じように覚えているとは限りません。
10年という期間を考えてみてください。
担当営業が変わっているかもしれません。
施工店のホームページや会社のロゴが変わっているかもしれません。
お客様自身の家族構成や生活環境も変わっている可能性があります。
そして、その10年間にお客様は、
近所で別の塗装会社の工事を見たり、
他社のチラシを受け取ったり、
インターネット広告を見たり、
知人から施工店を紹介されたりしています。
次の塗り替え時期になったとき、
「前回お願いした会社に頼もう」
と思ってもらえる保証はありません。
良い工事をしたことと、思い出してもらえることは別
これは施工品質とは別の問題です。
前回の工事に不満があったから他社へ行くとは限りません。
前回の工事には十分満足していた。
特にトラブルもなかった。
でも、次の塗り替え時期になったときには会社名を忘れてしまっていた。
そんなことも十分に考えられます。
住宅で何か困ったとき、お客様の頭の中に自社が浮かばなければ、
相談してもらうことすらできません。
つまり施工店にとって必要なのは、
「満足してもらうこと」と「忘れられないこと」の両方です。
前者は施工品質や対応によってつくります。
後者は、工事後の継続的な接点によってつくっていく必要があります。
だからといって毎年営業する必要はない
では、毎年、
「そろそろ塗装しませんか?」
と電話をすればいいのでしょうか。
当然、それではお客様にとって負担になります。
まだ必要のない工事を繰り返し勧めれば、
せっかく築いた信頼関係を損ねる可能性すらあります。
重要なのは、売り込みではなく接点を持つことです。
たとえば、
- 定期点検のお知らせ
- 季節ごとの住まいに関する情報
- 台風や大雨の後の注意点
- キャンペーンのお知らせ
- 暮らしに使えるクーポン
- 会社からのお知らせ
など、外壁塗装を売らなくても接点をつくる方法はあります。
「工事してください」と言い続けるのではなく、
必要になったときに思い出してもらえる距離にいる。
この状態を長く維持することが重要です。
「何も用事がない期間」の接点づくりが難しい
実際には、ここがアフターフォローの難しいところです。
工事直後なら連絡する理由があります。
1年点検、3年点検などを実施している会社なら、そのタイミングにも接点があります。
しかし、それ以外の期間はどうでしょうか。
何も問題がないお客様へ電話をするのも難しい。
毎月DMを郵送すれば費用も手間もかかります。
営業担当者に任せていても、日々の新規商談や現場対応が優先され、
OB顧客への連絡はどうしても後回しになりがちです。
だからこそ、10年以上という長い期間を人の努力だけでつなぐのではなく、
自然に接点が生まれる仕組みをつくることが重要になります。
リフォーム店なら途中に接点をつくりやすい
外壁塗装専門店と比較すると、
総合的に住宅リフォームを扱う会社にはもう一つ方法があります。
次回の外壁塗装を待つ必要はありません。
住宅では10年以上の間に、
給湯器の交換、トイレ、浴室、キッチン、内装、雨漏り、網戸や建具など、
さまざまな相談が発生します。
そうした小さな困りごとでも相談してもらえる関係が続いていれば、
外壁塗装と外壁塗装の間にも自然な接点が生まれます。
そして再び仕事を任せてもらえれば、
「今回も頼んでよかった」
という経験をもう一度積み重ねることができます。
これは、10年前の一度の工事だけを頼りに次回の塗り替えを待つよりも、
はるかに強い関係になります。
次回塗装の営業は「10年後」に始めるものではない
次回の塗り替え時期が近づいてから、
「前回から10年経ったので、そろそろいかがですか?」
と連絡することも一つの方法です。
しかし、その10年間まったく接点がなかったのであれば、
お客様にとっては突然の営業電話になってしまいます。
一方で、
工事後も定期的に情報が届いている。
点検で顔を合わせている。
会社のお知らせを見ている。
途中で別の相談にも対応してもらった。
そんな関係が10年間続いていれば、
同じ塗り替え案内でも受け取られ方は変わります。
つまり、次回塗装のための関係づくりは、次回塗装の直前ではなく
前回の工事が終わったときから始まっているともいえます。
10年以上の関係を「担当者の記憶」だけに任せない
問題は、これを会社として継続できるかどうかです。
OB顧客が数十組なら、一人の担当者でも覚えていられるかもしれません。
しかし100組、500組、1,000組と増えれば不可能です。
さらに担当者が異動・退職すれば、
それまで個人的につながっていたお客様との接点まで失われる可能性があります。
だからこそ、アフターフォローは、
「担当者がお客様を覚えている仕組み」ではなく、
「会社がお客様とつながり続ける仕組み」
にしていく必要があります。
外壁塗装は、次の工事までの期間が長い。
だからこそ、その空白期間をどうつなぐかまで考えることが、
次回も選ばれる施工店づくりにつながるのではないでしょうか。
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OB顧客との関係を、会社の仕組みに。
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